今日もチーズナンを作ろうとしたときのこと。
冷蔵庫にチーズがないではありませんか。
チーズがなければチーズナンにならない・・・。
しかしチーズは高い。月末だしどうしたものか・・・。
私はひらめいてしまいました。
これをチーズの代用にしてしまえばよいのでは、と。
ぬか漬けの豆腐です。これを使えばチーズナンになるのでは? と思いました。
「いや、豆腐じゃん」と思うことなかれ。実は豆腐をぬか漬けにすると水分が抜けて味が濃くなります。
その結果、ぬかの酸味と塩気も利いて、風味がチーズに似てくるのです。
ナンから大量にあふれだしちぎるたびに伸びて口でとろけるチーズ、というチーズナンの醍醐味は失われてしまいますがおいしければ無問題!
チーズよりもヘルシーだし安いし!コスパコスパ!
・・・とここまでで「貧乏を盾にして食材で遊んでいるだけでは?」と思われるかもしれません。
でも一応、自分なりに勝算を得てから作ってはいるんです。
まずぬか漬けの豆腐とナンの相性について考えたあと、実際に作ってみた感想と改善点を紹介していきます!
ぬか漬けの豆腐とナンの相性がよいと考える理由
ぬか漬けの豆腐とナンの共通する特徴は、発酵食品同士であることです。
一般的に、発酵食品同士の相性はよいとされています。
納豆とキムチ、ワインとチーズ、酢と味噌(酢味噌の和え物)とかおいしいですよね。
意外にもワインといったお酒、酢や味噌といった調味料も製造過程で発酵させるので発酵食品なんです。
ではなぜ発酵食品同士の相性が良いっていわれているのでしょうか。 うーん、なんでだろう?
正直なところ、調べてもはっきりとした理由まではわかりませんでした。
パッと思いつく理由としてはこんなものでしょうかね。
・うまみ成分を含む食材同士なので、より強いうまみを感じることができる
・味や風味が似ている食材同士だとクセを感じにくくなるので、味が調和しやすい
だいたいこうした理由が発酵食品同士の相性がよいとされる所以ではないでしょうか。
ここでぬか漬けの豆腐とナンの相性を考えてみると、
・酸味を含む食材同士
という点で共通しているとわかります。
ぬか漬けの豆腐の酸味とヨーグルトの酸味
つまりはぬか漬けの豆腐の酸味と、ナンの材料に入っているヨーグルトの酸味によって相性がよくなるのでは? という発想です。
というのも、食材同士の味や風味に共通点をもたせると、全体の味がまとまりやすいから。
たとえば、ワインにあうおつまみを作るときなんかはわかりやすいです。
ハーブ香のある白ワインにあわせるなら、清涼感のある野菜・ハーブを活かした料理を。
スパイシーで濃厚な赤ワインなら、黒コショウや山椒などを利かせたボリュームのある料理を。といった具合です。
食事に飲みたいワインを使っておつまみを作ってしまうのも同じ原理。
このように味や風味に共通点をもたせるのは、どの料理においても通用することなんですよね。
ならば、ぬか漬け豆腐とナンではどうでしょうか。
豆腐に限らず、ぬか漬けは乳酸菌による発酵と、ぬか床の塩分による浸透圧で酸味と塩気がつきます。
ナンは材料にヨーグルトを使用することで、使用しないときと比べると生地にほのかな酸味が付与されます。
またヨーグルト自体も乳酸菌による発酵食品なので、乳酸菌発酵食品同士のさわやかな酸味がマッチするのでは、と思い至りました。
確かに乳酸菌の性質の違いはあるにはあります。
実はぬか漬けは植物性乳酸菌で、ヨーグルトは動物性乳酸菌です。
種類の違いはありますが、食材の「さわやかな酸味」自体には大きな差はありません。
よってぬか漬けの豆腐とナンの相性はきっといい! はず!
作ってみちゃった
生地は作り置いてあったものがあるので、それを使用しています。
打ち粉をして生地を伸ばしたそのうえに・・・
のせます。
思ったより厚さがあったので半分にスライス。半丁分の豆腐を使ってます。
では豆腐を包みま
した。オーブンで10分焼きます。
結構よさげな雰囲気を醸してますね・・・
焼けましたー!!!
がっつり加熱するので、最悪豆腐の水分でびちゃびちゃになると思ってたのでひと安心。
切ってみましょう。
なんか想像以上においしそう!!!
なぞの既視感があるなと思ったらあれですね、某ミスターなドーナツのエンゼルなクリームドーナツですねこれは。
生地が豆腐の水分を吸っているものの、表面には出てきていないみたいですね。
どこを触ってもしっとりとした感触はなし。
では実際に食べた感想をば。
味の感想
ではひと口。
・・・
ぬか臭っ!?
味よりも先にぬかの香りが抜けました。カリカリサクサク食感のナンを食べているのに、ぬかの香り。脳みそが混乱します。
そして豆腐の風味も豆腐臭さとなって完全に浮いています。食感もぷりんとしててなじみません。やっぱりこれは豆腐だったんだね・・・。
ただ味はかなり良かったです。
・ナンの甘さを引き立てるぬか漬け豆腐の塩気
・ヨーグルトのほのかな酸味が合わさった、甘酸っぱい生地とマッチするぬか漬け豆腐の酸味
ここらへんは読み通りのおいしさでしたね。
ナンの食感はというと、どこを食べても外はカリカリサクサク・中はしっとりです。
豆腐の水分が心配だったのですが、一晩の水切りと一日分のぬか床への漬けこみによる脱水が功を奏しましたね。
そして生地に豆腐の水分が移ったことによって、ぬか漬け豆腐のうまみが凝縮したこともおいしさに繋がりました
よく見てみると豆腐に接する部分が水分を含んでいるのに、その外側はきれいな焼き色がついているのがわかるはずです。
問題はぬか漬け豆腐の風味、もとい臭みだったのですが・・・食べ慣れてきたら、ぬかの風味もおいしい気がしてきました。
はじめこそ新感覚すぎて拒否反応が出てしまいましたが、食べ慣れるとクセになります。
まぁ普段の食生活で、ぬか漬けとナンを食べあわせることはないので、当然といえば当然でしたね。
ぬか漬けの香ばしい風味と、ナンのカリカリに焼けた表面の香ばしさの相性が意外と合います。ハマりそう。
豆腐のぷりぷりした食感も生地が柔らかいところでは、そこまで違和感はなかったですね。
たまーに「いま豆腐食べてるんだな」って実感するぐらいです。
ただ最後まで慣れることができなかったのが豆腐の風味です。
もはやこれだけがこの料理の異物感でしたね。残念。
全体としてはとてもおいしかったですし、正直また作りたいですね。
とはいってもチーズナンの再現に失敗してしまったことは悔やまれます。
こんなのただのぬか漬け豆腐ナンなんじゃ。
でも新境地を開拓できてよかったです。
まだまだ改善の余地はあるので、初めて作ったにしては上出来ではないかと。
よりよいぬか漬け豆腐ナン作りにむけて
より完成度の高いぬか漬け豆腐ナンを作るために、改善したいことは以下のとおりです。
・豆腐の風味に違和感しかない
・豆腐の食感が気になることがある
これらの問題はある食材で一気に片付けられると思っています。
それはナンの生地に豆乳を使うこと。
まずは豆腐の風味についてです。
ぬか漬け豆腐の豆腐風味を消すのではなく、活かしてみようと思いました。
生地に豆乳を入れてしまえば豆腐の風味も気にならないどころか、むしろマッチしておいしくなるのではないでしょうか。
似た風味の食材を使うと相性がよい、というのを前のほうでお伝えしましたがそれの応用ですね。
次に豆腐の食感についてですが、生地を柔らかくする方法、または豆腐の水気を切りすぎなくする方法があります。
ですが豆腐の水気の切り具合を甘くすると、今度こそびちゃびちゃのナンになってしまうので論外。
では生地を柔らかくする方針で考えてみましょう。
ナンを作るにあたってヨーグルトの分量が多いほど生地がむっちりする傾向があります。
反対にヨーグルトの分量をへらしただけ水を入れてやると、パンのようなふわふわ食感に近くなるんです。
なのでヨーグルトを減らした分だけ、生地に水を入れてあげれば解決するはず。
ここで風味のことも考えると、水の代わりに豆乳を入れるのがよいのではないでしょうか。
実際に豆乳でナンを焼いたことがないのでふわふわになるかはわからないのですが、試す価値はあると思います。
以上から生地に豆乳を入れて作ると、失敗せずに作れるはずです。
・・・節約というか、少しでも安くチーズナンを楽しみたいという気持ちから始まったのに、豆乳を使おうとか本末転倒感が否めないですが。
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